アメリカで働く上で、最初に問題となるのが、呼び名だ。
僕の名前はHitoshiというが、日本では、家族とごく親しい昔の友人を除いては、Hitoshiと呼ばない。アメリカのようにファーストネームで気軽に呼ばれることに慣れていない。日本で生まれ育った純ジャパの僕としては、どうしても、気安く呼ばないでほしいと感じてしまう。もちろん、フレンドリーなのは、いいんだけれども、親しき仲にも礼儀ありだ。
加えて、発音が問題となる。「ハィトーシ」あるいは、「名前はどう発音すればいいの?」「正しい発音は?」というのが、アメリカにおける初対面の反応だ。
日本語は、「あ・い・う・え・お」の5音の変形(+ん)くらいしか音がないのに、もう少し、正しく発音されてもいいのではと思ってしまう。いちいち発音を直していくのも面倒だし、次も正しく発音してもらえるとは思えない。ということで、自分のブランドネームをつけることにした。
とはいえ、デービッドやマイケルという感じでもないので、小学校の時のニックネームを使うことにしてみた。「じん」とか「じんくん」とか呼ばれていたので、やはり、「じん」かと思って、試してみたが、普通すぎて、しっくりこない。しっくりこない呼び名というのも困ったものである。
迷ったあげぐ、ボストンオフィスの同僚に、「”ひとし”は、正しく発音してもらえないんだよ」と相談すると、「それなら、Jin K.がいい。これから、おまえは、Jin K.だ!Jin K.、Jin K.!」と、いとも簡単に、しかも、かなり盛り上がって、断る余地のない感じで、決めてくれた。
ということで、米国での呼び名は、Jin K.となりました。Kが付いただけなんだけど、何か、響きに締りがでてきたし、JFKのKみたいでいいやと、勝手に気に入ってしった。JinK.だったら、部下に呼ばれても全く抵抗感がない。
ペンネームも、Jin K.にしよう。
JinK.