どういう運命のいたずらなのか、今、僕は、家族とともにボストンにいる。
自分で選択した結果だとも言えるし、運命がそうさせたのだとも言える。
もちろん、大学生の頃から漠然とアメリカに行きたいという思いはあったが、英語も
中途半端な自分が、40代も半ば過ぎてから、本当にアメリカに来て、仕事 をして、
暮らしているのかと思うと不思議な気もする。機会は巡ってくるものでもあるし、
意志をもって選択するものでもある。人生はなんとも不思議なもの で、そういう波に
乗っていく感覚は、面白いものでもある。環境を大きく変えることによる自分の内面
の変化も面白いが、何より、娘たちの成長をみるのが楽し みでもある。
よく、自分がやりたいこと(WANT)、自分ができること(CAN)、求められている
(NEED)ことの重なるストライクゾーンを探して、そのストライクゾーンを広げて
いくことが充実した人生を送る成功の鍵だとも言われる。
当たり前のように聞こえるかもしれないが、僕にとっては、これを実践していく
ことは、そう簡単ではない。特に、難しいのは、自分がやりたいことかはわから
ないが、自分ができることと、求められている事が重なっていて、役に立つという
感覚が持てるときだ。なぜなら、役立っているという感覚と、自分がやりたい
という感覚の区別が、必ずしもつかないからである。あるいは、区別はついている
かもしれないが、役立っているという感覚が、自分がやりたいことではないか
という判断を曇らせてしまう。見えている領域なので、失敗する事も少ないし、
確実に役に立つ。それ自体間違っているとはいえないし、その過程で、得られる
ものもある。ある意味、自分の強みで役立つ領域に展開していく適応戦略ともいえる。
ただ、僕の場合、問題なのは、ある程度、落ち着いてくると、自分が、心から満足
していないことに気付くということだ。これは、かなり厄介な問題だ。周りから、
ある程度、信頼されているという感覚がある一方で、満たされない自分がいる
という矛盾だ。
アメリカに来てから、1年を越えてしまったが、今、そういう岐路に立たされている
ように思う。自分ができることで、かつ、求められていることで、キャリアを広げて
いかないかというものだ。数人の人から、JinKに向いているのではないかと
言われている。
明らかに強いNEEDSがあって、やる自信があり(CAN)、当たらずとも遠からず
(somewhat WANT)の仕事だ。それはそれで、魅力的でもあったが、いろいろと
迷った上げく、その話は断る事にした。なぜなら、一度、そういう選択をして、
必ずしも 自分の思いが満たされなかったからだ。
ただ、今回は、単に断るだけでなく、違う提案をしてみた。潜在的に強いニーズ
があって、自分がやりたいことを追求するものだ。この提案は、よく先が
見えないものではあるが、自分が追求したいものにマッチしている。集中すべき
領域も定まり、太い軸ができるのでいいのではないかと思う。できるかどうかは、
努力次第だ。
意外な事に、ボスの反応は、「それは、とても面白い」というものだった。
これから、どういう展開になるかはわからないが、なんとなく、ワクワク感がある。
吉とでるのか、凶とでるのか… それは分からないが、欲しい物は穫りにいく攻めの
気持ちでいこう。アメリカだしね。JinK.
2ヶ月ほど前に書いたものですが、その後、いい方向に向かっているように思います。やはり、価値を生み出せる領域で、自分が何をしたいのかを伝えることが、好循環を生み出す鍵のように思います。これからどうなるかわかりませんが。。。