グローバルで渡り合う英語の磨き方(5)

日本人の英語の学び方

 日本で生まれ育った純粋ジャパニーズ、純ジャパにとって、グローバルに渡り合う英語を身に付けるのは、並大抵のことでないと思う。いろいろな試行錯誤もしなければならないだろうし、あるときには屈辱感や挫折感を味わったり、乗り越えなければならない大きな壁を感じたりもする。しかし、年齢にかかわらず、また、グローバル化、ネットワーク化された今となっては、住む場所にもかかわらず、武道のように正しい型で、反復練習をし、正しい順序を踏んで、積み上げていけば、その壁は必ず突破できるというのが僕が持っている実感だ。もちろん海外にいると有利なこともあるが、アメリカにいるから自然に英語がうまくなるわけでもないし、これまで僕がアメリカで取り組んできたことのほとんどは日本でもできることだ。しかもお金をかける必要もそんなにない。

 但し、多くの日本人の英語の学び方には、自分がやってきたことの自省も含め、根本的に考えなおす点があるのではないかと思う。日本人が教えるか、ネーティブスピーカーが教えるかという類の話もあるかもしれないが、それよりも問題だと思うことがある。それは、多くの日本人の英語の学び方は、パソコンに例えるならば、オペレーティングシステム(OS)は、日本語モードのままでありながら、その上に、日本語で学ぶ英文法という変換装置をミドルウェアとして搭載し、その上に、英単語、言い回し・表現集、発音・アクセント、リスニング、スピーキングという個別アプリケーションを載せていくというアプローチを取っている点だ。

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 巷に溢れる英語関連本を見ると、このアプローチにはいくつかの流派がある。硬派のアプローチは、語学学習に王道なしということで、地道に取り組むタイプのもので、何千語の英単語を覚えるとか、さらに極端なレベルまでいくとポケット辞書を買って、数ヶ月で全部覚えるというのもある。全部単語が分かれば、タイムもエコノミストもニューヨーカー等の雑誌も何も怖くないというわけだ。アマゾンの書評を見るとそれなりの信者もいるし、語学試験対策には効果的な気もするが、グローバルに渡り合う英語が身に付く感じが全くしない。辞書を全部覚えたことがないので、効果の程は分からないので無責任なことは言えないが、少なくとも僕の場合は、そういう根気強さはなく、うまくいかない。この硬派アプローチは、英単語に限らず、ビジネス英語表現集や、発音や、リスニング、スピーキングそれぞれに定評があり、定番となっている本がある。

 それに対し、軟派アプローチというものがある。これは、中学程度の英単語で十分とか、そもそも英文法はいらないとか、聞き流すだけでとか、ぺらぺらなんとかとか、そういう路線のものだ。英語学習のハードルを下げる、また、英文の口慣らしに使えるという面はあるが、このアプローチでも、グローバルに渡り合う英語が身に付く感じがしない。ダイエット向けの本と同じで、これで簡単に痩せられるという感じではあるが、効果があるかわからず、長続きしない。

 結局、どちらのアプローチも、早晩、壁にぶつかるので、やめてしまったり、あるいは、硬派に行ったり、軟派に行ったりと右往左往してしまう。もちろん、どちらのアプローチも、根気よく取り組めば、やらないよりはマシになるが、努力の割に、壁を突き抜けられないので、長続きしない。あるいは長続きさせるためには、かなりの努力が必要となる。しかも更に悪いことに、なんとも言えないような報われ感のなさや、挫折感がつきまとう。

 挙句の果てには、日本人は、遺伝的にとか、脳科学的に英語が苦手だという議論がでてきたりする。こういう議論は、慰めにはなるかもしれないが、英語の壁を突破するという点では、足しにもならない。日本語の文法構造は、全く違うからというような話もあるが、これだけ日本語が話せる外国人が増えてくると説得力がなく、もはや言い訳はできないように思う。何か、根本的に英語の学び方が間違っているのではないか、そう考えなおしたが方がいいと思う。

 日本の英語学習の最大の問題点は、冒頭で説明した、OSは、日本語のままに、英語の個別アプリケーションを載っけようとするアプローチにあるのではないかと思う。硬派アプローチも軟派アプローチも、その域を出ていないかぎり、早晩、限界にぶつかる。最も大切なベースができていないからだ。巷にある英語学習本は、役に立たないとは言わないが、グローバルに渡り合う英語を習得するという視点からみたら、不要かもしれない。もちろんマーク・ピーターセンの日本人の英語シリーズのように、日本と英語のOSの違いに切り込む本はあり、参考にはなるが、どのように日本人が英語のOSを作ればいいのかは教えてくれない。ここで強調したいのは、自分の中に、英語のOSを作らない限り、アプリケーションやミドルウェアにどんなに力を傾けても、早晩、壁にぶつかるということだ。投資効果をあげようと思ったら、まずは、英語のOSを作りに行く。これが鍵だと思う。アメリカに来るまで、英語をほとんど習ったことがない下の娘の英語学習過程を見ていると、本当にこの点が重要だと思う。これは年齢というよりも、語学習得の順序の問題だ。彼女は、アプリケーションの知識なんてほとんどない。でもOSを最初に作っているので、その後、どんどん積み上がっていく。純ジャパにとっては、英語のOSを自分の中に作ることで、これまで投資してきたアプリケーション部分も活きてくる。そのように思う。それが最優先だと思う。

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 では、そのOSとは何かといえば、日本語で言えば、「日本文化・行動様式」であり、それに基づく、「日本流のリズムとコミュニケーション技法」である。米語で言えば、「米国文化・行動様式」であり、それに基づく、「英語流あるいは米国流のリズムとコミュニケーション技法」だと思う。もちろん、パソコンでいうところのCPU、メモリーそれにパソコンを使うユーザーのところには、自己がいるわけで、グローバルで渡り合う英語を身に付けるには、日米の文化・行動様式の違いの理解を基に、自分の言いたいことを、その場その場の判断で、英語流のリズム、英語流の技法で主張したり切り返したりする技を習得することが大切であり、それに最適化した学び方が重要だということだ。前回述べたように、リズムがあるから、それに最適化した発音があるわけで、発音というアプリケーションレベルから入っても、そのアプローチには限界があると思う。巷にある本の中にも、もちろん、いろいろな角度から、そういうことに触れているものはあるが、真正面からその課題を捉えていないように思う。次回は、僕なりに、効果があると思っているその具体的な方法論について述べてみたい。

JinK.

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